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龍山寺　地蔵王廟　清水巌　慈雲寺　法華寺　啓天宮　台北天后宮　青山宮　金門館

創建年代：不詳（清末と言い伝えられている）
主神：蘇府王爺（その誕生日は4月12日）
宗教：道教
古跡等級：古跡の指定は受けていない
所在地：広州街81巷4弄3号
電話：（02）23062270

　　台湾で蘇府王爺を主神として奉祀する廟名については、大体以下の三つに分けうる。まず第一は、発祥の地名金門を冠して命名したもの。例えば、万華の金門館・鹿港の金門館。第二は、金門金湖鎮にある伍徳宮というこの廟名を用いたもの。例えば、台南安平の伍徳宮・台南東門の伍徳堂・台北松山の伍徳宮。第三は、これらの由来には拠らずまったく新たに命名したもの。例えば、鹿港の景霊宮・万華の三清宮。

　　万華の金門館について見れば、その名が示すように、金門の人が台湾に移民してから建立した、廟と同郷会館の機能を兼ね備えさせた場所であった。主神は蘇府王爺を祀っている。これは、福建同安県浯洲嶼（今の金門県）伍徳宮より分霊して来たものである。清代の文献記録によって述べれば、台湾で最も早くから主神として蘇府王爺を祀った廟は、鹿港にあった。その年代は1805年（嘉慶乙丑）。当時それは浯江館といった。後に金門館と改称。ところで、金門の旧称は浯江・浯洲・仙洲などであった。数多くある王爺信仰の中でも、金門人が信仰するのは、蘇王爺である。

　　金門が中国史に登場するのは、台湾や澎湖島よりも早い。清代の『金門志』の記載によれば、晋朝の時、中原の地は戦乱が続き、難民として金門に逃れた者に、蘇・陳・呉・蔡・呂・顔の六姓があった。唐朝の時、牧馬監であった陳淵とともに金門へ渡って来た者は、蔡・許・翁・李・張・黄・王・呂・劉・洪・林・蕭の十二姓であり、その中には蘇姓は含まれていない。

　　主神である代天巡狩蘇府王爺について見てみよう。上掲の『金門志』によれば、蘇氏は、陳淵が金門へ来る以前の晋代には、早くも金門へ移住していたにも拘らず、民間には、蘇王爺は蘇永盛という名で、陳淵と一緒に金門へ渡り開墾入植したという言い伝えが残っている。これはたぶん陳淵が、神仙道術を持っていたという史記の記載に影響されたためであろう。『金門志』によると、金湖鎮新頭村には、観徳堂という廟があり、主神に蘇公を祀っているが、蘇氏の名は未詳とのこと。観徳堂の祖廟は俗に四王爺といわれ、官民問わず人々の敬虔な信仰を集めていたとのこと　である