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龍山寺　地蔵王廟　清水巌　慈雲寺　法華寺　啓天宮　台北天后宮　青山宮　金門館

創建年代：1760年（乾隆25年）、一説には1828年（道光8年）
主神：地蔵王菩薩（その誕生日は7月30日）
宗教：仏教
古跡等級：三級古跡
所在地：西昌街245号
電話：（02）23066352

　　地蔵王廟の創建年代には現在二つの説がある。その一つは1760（乾隆25）年で、隣の昭顕廟（大衆爺廟）も同時に建立されたというもの。もう一説は、1828（道光8）年である。現在廟内に存する「地蔵王廟」と題した?額は道光戊子年（1828年）のものである。だが、その?額は建立当初に贈られたものか、或は修築の際に贈られたものかは分らない。ただ清代の文献に僅かに次のように記されているのみである。

　　地蔵庵、一在庁治東門内、道光八年同知李慎彝、守備洪志高等捐。一在??街。つまり、道光年間の??には地蔵庵が存在していたことは確かである。

　　日本統治期になって、地蔵庵は没収を受け国有財産に帰すことを避けるために、その管理権を龍山寺に移したことがあった。地蔵庵は主神として地蔵菩薩を奉祀し、府城隍と田都元帥を配祀している。府城隍はもともと城内の城隍廟に奉祀されていたのであるが、日本統治期に廟が取壊された後に、ここへ移され奉祀されたのであった。田都元帥はもとは西園路の紫来宮で祀られていたのであったが、戦時中に廟が壊され、この地へ移されたのだった。

　　仏教界には四大菩薩というものがある。すなわち、「大智」の文殊菩薩、「大行」の普賢菩薩、「大悲」の観音菩薩、「大願」の地蔵菩薩である。地蔵菩薩は最後に四大菩薩に加わったのであるが、観世音を現世の衆生の苦難を救う菩薩とするなら、地蔵菩薩はさしずめあの世で地獄に落ちた霊を済度する菩薩と言えよう。よって、地蔵王はまた幽冥教主とも称されている。

　　地蔵は衆生を救わんとする願いを発して、「地獄不空、誓不成仏、衆生渡尽、方証菩提」［地獄で責め苦に遭う者を悉く済度させねば、成仏せぬことを誓い、またこの世の衆生が悉く済度されねば、菩提といわれる仏の悟りを得ることはできぬ］と述べたといわれているが、この言葉には正に地蔵菩薩の「我不入地獄、誰入地獄」［わたしが地獄に入り済度せねば、誰が地獄へ入ろうか］という大悲願の力とその実践の精神が充分に示されている。地蔵庵には勿論地蔵王菩薩が奉祀されているのであるが、それはまた様々な異なった名称を持っている。例えば、金剛顔地蔵・金剛宝地蔵・金剛悲地蔵・金剛幢地蔵・放光地蔵・頂天賀地蔵・護讃地蔵・延命地蔵・牟尼地蔵・讃龍地蔵・破勝地蔵・不休息地蔵など。そして、名称が異なれば手に持っている法器もまた異なる。

　　地蔵王菩薩の左右両側に配祀されているのは、謝必安と范無救の二将軍である。この二将軍はもとは城隍爺に仕える役人であり、専ら罪人をあの世に護送し審判を下すことを司っていた。あの世は、閻魔王が牛耳り、地獄の輪廻を管理していた。謝必安と范無救の二将軍は閻羅王［十殿閻王と呼ばれる、十人の閻魔王がいると考えられているが、閻羅王はそのうちの一人。］の属吏とも見なされていた。ところで、閻羅王は誹謗を受け生命を失ってしまい、その後文殊菩薩に帰順し、地蔵王の守護神となった。故に、地蔵王廟でも謝必安と范無救の二将軍を見ることができる。