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龍山寺　地蔵王廟　清水巌　慈雲寺　法華寺　啓天宮　台北天后宮　青山宮　金門館

創建年代：1738年
主神：観世音菩薩（その誕生日は2月19日）
宗教：仏教
古跡等級：二級古跡
所在地：広州街211号
電話：（02）23025162

　　龍山寺は広州街211号にあり、新交通システム［MRT］の龍山寺駅から徒歩数分の距離に位置している。門前は十二号公園予定地である。龍山寺の創建者は貿易に長けた泉州人で、福建省泉州府から??へ渡って来て定住してより、人口が次第に増加していった。1738（清の乾隆3）年に泉州府晉江県安海郷龍山寺より分霊された観音像が、台湾に帯同され、??街に寺廟を建立、龍山寺と名付けて、観音菩薩を奉祀したのである。

　　その後、廟は嘉慶年間には大地震に、同治年間には暴風雨に、光緒年間には中仏戦争にそれぞれ遭ったために、日本統治時期には既にかなり損壊していた。1919（大正8）年、住職福智和尚（俗名は呉燦明）は質素倹約に努めて蓄えた7千余円を寄贈し、信徒もまた財物を寄贈して援助を行う。当時の区長である呉昌才が中心となり、1920年1月に改築工事に取り掛かり、1924年には竣工を見る。この改築は清朝時代のもとの建物を取り払い、規模を拡大し、面目を一新させるもので、今日の龍山寺の雛形を築いた。

　　日本統治期の二度目の築造は、1938（昭和13）年にはじまり、40年に終る。1945年6月8日、寺の中殿が空襲に遭い、焼夷弾を屋根より直撃し到る所に損壊を受けた。しかるに観音菩薩は、煤けて黒くなった以外、何の損傷もなかった。それを見て不思議に思はない者はなかった。このことから、信徒が大幅に増加した。同年に、寺の屋根の修復工事が終る。光復［台湾の中国への復帰］後、龍山時は「祖国歓迎籌備所［準備事務所］」に充てられた。また、寺内に「憲兵団国文国語［北京語］講習所」・「台湾省警察学校国文国語講習所」・「国軍宿舎」・「診療室」が設けられた。1951年、台北市政府によって名勝古跡に指定された。翌年再び中殿の修復を行い、1957年にその工事が終る。1972年には塀と牌楼［寺廟の門前などに建てる鳥居のような建築物］をつくる。1958年には、内政部により国の二級古跡に指定された。

　　龍山寺は仏教と道教の混交した寺廟と見なされているが、その主神は仏教の観世音菩薩であり、現在それは中殿の円通宝殿に祀られている。観世院とは梵語の仏教経典の漢訳名であるが、その漢訳名は三種ある。即ち、「光世音」と「観世音」と「観自在」である。観世音という訳名は最も普及しているが、唐の太宗李世民の諱（いみな）を避ける為、「世」の字を省略して「観音」とも称した。観世音と訳したゆえんは、この菩薩が修音声法門によって悟りを開いたことに由来する。『妙法蓮華教』には次ぎのような一節がある。

　　苦悩衆生、一心称名、菩薩即観其音声、皆得解脱、以是名観世音。［苦悩を抱える衆生が一心に観世音菩薩の名を唱えれば、菩薩はその声を観じて、衆生は解脱することができることから、観世音と名付けられた。］

　　観世音菩薩は、観音菩薩・観音仏祖・観音大士・南海観世音・観世音・観自在・観音媽とも称される。これは、仏教が中国へ伝来してから最も崇敬を集めた菩薩の一つであった。よって、俗に「阿弥陀と観音のなき家なし」と言われているほどである。観世音の悲願は広く深いことから「大慈大悲救苦救難観世音菩薩」の尊号を有している。